頭のてっぺんからつま先まで純度100%、コッテコテのレゲエ・ディージェイである。やんちゃな少年時代のとどめにレゲエ・ミュージックに出会って以来、ラガマフィン道を邁進してきた大阪が誇るエンターテイナー。
すでに 8 枚のフル・アルバムを残している脅威のリリース・ペースもさることながら、この男の真骨頂はやはりライブ。キャパ数十人の小さなクラブだろうが数千人規模のビッグ・イベントだろうが、良く言えば自然体に、悪く言えば適当に飄々とマイクを握る、本場ジャマイカのアーティストを彷彿とさせるようなその姿は、オーディエンスは勿論、同業者であるアーティスト、セレクター、PA、オーガナイザー等、関係者からも人気が高い。
「しらんの?」、「こわいわ」、「ほんまに言うてんの?」、「危ナイ~ス」、「バシバシヤバシ」などなど、関西弁を取り入れた独特なキャッチ・フレーズが印象的な現場の流行歌を次々と産み落とす KENTY GROSS のスタイルは、半世紀以上もの芸歴を重ねた今も、決して他の追随を許さない。
普段はスラックネスと呼ばれるダンスホール・レゲエ独特の下世話なテーマを扱った楽曲を得意としながらも、近年はMCバトルにも参戦し、そこで見せる意外なほどまでもの強さがラップ・シーンでもにわかに注目を集める存在となっている。